2014.06.29

譲る・求めるコーナー

私のリュートの為のホームページに新コーナー譲る・求めるを開設しました。

リュートを含む古楽器や、モダンリュート、ラウテなどの古楽器ではないリュートを誰かに譲りたい、もしくは探しているという方がいらっしゃいましたら、是非ご活用下さい。
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Posted at 08:35 | お知らせ | COM(0) | TB(0) |
2014.06.29

魅入られた者

彼は旧支配者に魅了されていた。

古代エジプトで暗黒のファラオによる忌まわき祭祀を、彼は見た。その唾棄すべき呪われた儀式に宇宙の真理を見、それに近づこうとした。

その後、16世紀フランスで異端審問官ニコラス・レミが著した悪魔崇拝を読み、19世紀ロードアイランド州プロヴィデンスにて星の智慧派教団に入信、輝くトラペゾヘドロンを研究した。そして、20世紀のアメリカではミスカトニック大学で、ネクロノミコンを秘密裏に筆写した。

彼の気の遠くなるような研究、地獄に足を踏み入れるよりも遥かに危険な探求は、決して朽ちて腐る事の無い不死なる肉体、尋常ならざる身体能力、無尽蔵の知恵を受け入れ、思考する事が出来る明晰極まりない頭脳、そして、自らの時間を加速させる能力と、無貌の能力のお蔭で、問題なく遂行されていった。尤も、彼の研究を人としての良心から阻止しようとした者はいつの時代にも存在したが、悉く凄惨極まりない最期を迎えるか、謎の失踪を遂げていった。

彼は人間だろうか?人間だったかも知れない。さもなければ宇宙の真理になど興味を抱こうものか。しかし、人間を辞めたのは確かだった。かと言って、大天使ほどに神聖ではなく、ソロモンの悪魔共より邪悪ではない。聖邪や善悪の彼岸を越えた所に、彼は存在していたのだった。

「普通の人間にはただの人の顔にしか見えていない。ただの顔にしか・・・」

無貌の紳士は現在、唯一無二の親友である包帯の紳士らと暮らしているという。

Posted at 00:56 | ひとかけら | COM(0) | TB(0) |
2014.06.28

猫の性格

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 アメリカの作家マーク・トウェインは「犬を飼うことは出来る。だがネコの場合はネコが人を飼う」と言い、小説家ポール・ギャリコは猫の教科書を著しました。これらからも分かる通り、猫は飼い主を見下しているというように思われがちで、私自身もユウチャと出会うまでそういう風に思っていた節がありました。

 けれども、実際にユウチャと一緒に暮らしてきて、ちょっと違うなぁと思うようになりました。例えば、仕事から帰って来た時にひっくりかえってお腹を見せながら甘えてきたり、辛い事があって気分が塞いでいる時に近寄ってきて、心配そうに私の顔を覗き込んだり、近寄ってきて私の頭を毛繕い(!)してくれたり、こういうのは召使いやペットとしてというより、親や兄弟姉妹に対する接し方じゃないかしらん、と思うのです。

 つい先日、そんな事をうすぼんやり考えながらネットをしていたら、私が良く覗く猫専門の獣医さんのブログnekopedia様に興味深い記事がありました。

 猫と犬の性格 〜人間に対する考え方の違い〜

 猫は別に人間の事を馬鹿にしている訳ではないのですね。
Posted at 20:12 | 日々の徒然 | COM(2) | TB(0) |
2014.06.28

二冊の音楽帖

誰そ彼時の音楽帖

空が太陽から離れ 月に向かって闇を深める蒼い音楽帖

ニ短調 高貴で心地よく満ち足りた曲調

夜を迎えるための音楽

彼は誰時の音楽帖

空が月から離れ 太陽に向かって光を増す碧い音楽帖

ニ長調 楽しげで好戦的な曲調

朝を迎えるための音楽

彼は弾く 夜の音楽を

彼は弾く 朝の音楽を

十と一つの組の弦で

闇がますます深まり 月が粛々と輝くために

光がますます充ち 太陽が煌々と燃えるために

Posted at 15:36 | ひとかけら | COM(0) | TB(0) |
2014.06.28

館について

館にはその大きさに不釣り合いな書庫、ささやかな食堂、倉庫や食料庫、秘密の屋根裏部屋、涙を流す部屋、驚異の部屋といった、客室や応接室以外の館が備えているだろう様々な部屋を、通常の館にはない部屋部屋と共に、歪ながらも持っていた。

というのも、一応の館主である包帯の紳士は(彼は主従関係というものを好まなかったので、全く形式的なものだが)客というものを凡そ好まず、彼や彼らのために特別にもてなすことを疎んでいた。一方で、どこから湧いて来たか分からない自分たち以外の住人には寛容で、窓際に佇む胡乱な美女が微笑をたたえていたり、星形の糸巻のような物体が部屋を横切ったり、食蟻獣とも獏ともつかない小さな獣が足元に纏わりついてきたり、はたまた、夜の星々が階段の上で追いかけっこをしていても気に留めなかった。

館主以外の住人は自分たちが十分風変わりであることを認めているので、館主と同様に彼らの存在を気にせず、むしろ楽しんでいた。

妖孤の女は胡乱な美女と午後の茶会を開き、黒猫は星形の糸巻にじゃれつき、少女は小さな獣を小さな姉妹であるかのように、一緒に遊んだり食べたり寝たりしていた。六本指の紳士は星たちにせがまれて、彼か彼女らのために様々な話を聞かせてやった。

館の形は公式なる館の住人の性質をよく表していると共に、非公式なる住人の存在を暗示していたのであった。

Posted at 11:42 | ひとかけら | COM(0) | TB(0) |
2014.06.22

館の住人達

その地は空を舞台に昼と夜が延々と拮抗していた。

人の気配は少なく、小さな駅と小さな蒸留所、それに万屋と僅かな農家が疎らに点在していた。

その中に、ごく小さな館と思しき建物が一軒、小高い丘に聳えていた。館には二人の紳士と少女、妖孤、それから猫が一匹暮らしていた。

リュートをこよなく愛する包帯の紳士は、孤独を愛し、はるか昔に恋心を深淵に投げ捨てていた。

「今までずっと独りで生きてきたのだから、3人と一匹もいれば十分に賑やかだ。」

旧き神話に魅入られた、時の六本指の紳士は、恋というものを唾棄していた。

「マドモワゼル、私は品性を汚すもの一切を憎悪するのです」

一見すると少年のような少女は、恋というものが分からなかった。

「失礼だなぁ。ボクはこう見えても立派な女の子だよ?レディだよ?もう・・・」

妖孤の女は、嘗ての悲恋から恋を恐れていた。

「ふふっ、踊る阿呆に見る阿呆、これで呑まずにおれるものか?」

真黒な猫は、自分以外に猫がいないので恋に恋をする。

「ニャー」

果たして、彼らの世界に恋というものは存在し得るのだろうか?

Posted at 15:04 | ひとかけら | COM(2) | TB(0) |
2014.06.22

平常運転

 昨日は見苦しい記事を書いてしまい大変失礼致しました。もう平常運転に戻ります。そのうちもっと素敵な出会いがある事を期待しつつ、今は思う存分やりたい事に専念しようと思います。

 ところで、ドイツェ・ラウテの事ですが、入手してから半年で手放そうとしているのを見て驚いた方もいらっしゃったようです。別にお金に困っているという訳ではなく、この楽器のために編曲された曲や、バロック時代のマンドーラの曲を弾く内に、求めているものと違うという思いが募って参りまして、バロックリュートやマンドリーノばかりを弾くようになり、ドイツェ・ラウテは早くも埃を被り始めてしまいました。こういう状態は楽器にも自分にも良い事ではないので、興味のある人に譲ってしまおうと思ったわけです。

 やっぱり私が求めていたのは、19世紀以降の楽器であるラウテではなく、18世紀のマンドーラや11コースリュートの方だったのですね。とても良い楽器だけれど、やはりバロック時代のリュートとは根本的に何か違っていて馴染めなかったという事でしょうか。それから、楽器の方はなるべく早く手放したいので、楽器店に委託する前に連絡を頂ければ価格についてはかなり勉強するつもりです(タダにというのは難しいですが・・・)。興味のある方はお気軽にお問い合わせ下さいませ。

Posted at 09:38 | 日々の徒然 | COM(0) | TB(0) |
2014.06.21

暗澹冥濛

目
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Posted at 18:04 | 日々の徒然 | COM(4) | TB(0) |
2014.06.21

夜のひとかけら

深い闇の間に星々が一段と煌めく刻限に、闇夜のような黒い外套を着た包帯男が現れた。彼は周りを一瞥して囁くように我が身のことを語り始めた。

「生まれてこの方、成長というものを知らない。生まれる前から既に目は開かれ、翼は黒く大きかった。白い包帯はその頃からこの体を包み皮膚になり代わっていた。この身の長さと重さは今日まで変わっていない、全てを備えて夜から生まれ落ちた。いや、夜の中から湧いたように、と言う冪かも知れない。だから、一族に由来する歴史をまったく持たない。あの複雑に張り巡らされた系譜は全く与えられなかった。」

男の声は夜の空気のように冷たく、硬かった。彼の瞳の奥に箒星が尾を引いて横切るのが見えた。

「この包帯の中は夜の一かけらだ。この夜と同じくらいに若く、老い耄れている。」

男は掌に指で点を打つ仕草をしながら続ける。

「ただ白い紙のどこかに点がポツンと打たれたようなものだ。おまけに、血を繋げる能力というものをすっかり持ち合わせていないので、この点は今後一本の線にすらならない。そう、点にしか過ぎない。ただの点だ。」

しばらく目を瞑り、祈るような面持ちで静かに、一語一語を噛み締めるように言った。

「幸いな事に・・・、一族の系譜に由来する重荷というものを負ってはいないのだ。この夜空のように」

Posted at 08:14 | ひとかけら | COM(0) | TB(0) |
2014.06.20

消化中

積読

今月は読書強化月間もとい積読解消月間。残すは化物語のみです。
Posted at 19:16 | 本棚 | COM(5) | TB(0) |